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#764 「落ち着いてから買おう」の落とし穴。

執筆者の写真: RE/MAX GOOD.
RE/MAX GOOD.
5月21日
読了時間: 3分

こんばんは。RE/MAX GOOD.の佐藤です。


「中東情勢がどうなるか分からないし、もう少し落ち着いてから考えます」

最近、お客様と資金計画や時期についてお話ししていると、このような言葉をいただく機会が本当に増えました。

物価の高騰、不安定な中東情勢、目まぐるしく変わる経済ニュース…。毎日のように不安な情報が飛び交っていれば、「今は動かずに、様子を見た方が賢明かもしれない」とブレーキを踏みたくなるお気持ちは、痛いほどよく分かります。何千万円という大きなお買い物を前に、慎重になるのは当然のことです。


しかし、20年以上建築の現場に身を置き、今は不動産仲介として市場を見続けている立場からすると、この「様子見」の判断を前に、毎回ちょっとした葛藤を抱えてしまうのも本音です。なぜなら、これまでの経験上、「数年後に振り返ってみたら、あの時(今)の方がまだ安かったね…」という結末になるケースを、何度も見てきたからです。


数年前に世間を騒がせた「ウッドショック」のとき、多くの人が「建材が高騰しているから、元に戻るまで待とう」と考えました。しかし現実にはどうでしょう。現在の物価や建材費は、そのウッドショックの時期よりもさらに高くなっています。一度上がってしまった社会全体のコスト構造は、そう簡単に昔の水準には戻らないのです。


だからといって、これだけ先が見えない空気の中で、「今が一番安いですよ!」と、お客様の背中を強引に押すような営業をするのも、絶対に違うと思っています。それはプロの提案ではなく、単なる売り手の都合の押し付けになってしまうからです。


では、一体どうすればいいのか。


一つ確かなことは、「100%安心で、すべてが完璧に整った時期」を待ち始めると、家は永遠に建てられないし、買えないということです。 世界情勢が落ち着いたと思ったら、今度は金利が動くかもしれない。物価が安定したと思ったら、材料費や人件費、税制が変わるかもしれない。何か一つが解決しても、別の要素が必ず変動し続けるのが、この世界の常だからです。


だからこそ、これまで以上に「価格予想」や「相場の読み合い」に時間を費やすのはやめました。私たちは不動産のプロであっても、100%先の読めない世界情勢を当てることはできないからです。

お客様が「何に一番不安を感じているのか」「なぜ、家が欲しいと思ったのか」 「お子様の入学やご家族の転機を考えると、いつまでに必要なのか」 「もし、数年間『待ち』を選んだ場合、その間の家賃や、年齢を重ねることで変わるローンの返済期間はどうなるのか」

こうした、ニュースの数字には載っていない「お客様ご自身のリアリティ」を、一つひとつ整理していく。


家を建てること、家を買うことの本質は、投資やマネーゲームではありません。相場が安いか高いかだけで決めるものではなく、「これからの人生を、どんな場所で、誰と、どう生きたいか」という、ご家族のタイミングで決めるものだと思うのです。

たとえ時代がどれほど不安定であっても、お客様が「今、自分たちが進むべき道はこれだ」と、納得して一歩を踏み出せるように。

不確かな相場論をそのまま伝えるのではなく、目の前のお客様の「生きた時間」に寄り添い、一番の安心を一緒に形づくっていく。そんな地道で、少しおせっかいな時間を、これからも何より大切にしていきたいと思っています。

 
 
 

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