#707 「勉強しないと、ああなるわよ」
- RE/MAX GOOD.

- 4 日前
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こんばんは。RE/MAXGOOD.オフィスオーナーの佐藤です。
先日、日経ビジネスのある記事に目が留まりました。
「建設業界の人手不足の背景には、根深い『現場見下し文化』がある」という内容です。
それを読んだ瞬間、数十年経った今でも鮮明にそして苦い記憶として残っている、ある「親子の会話」が蘇ってきました。
それは、私がまだ職人として現場に出ていた頃のことです。 お昼休み、私たちは現場の前の道端に座り、仲間たちとお弁当を食べていました。作業服は土に汚れ、汗もかいています。
そこを通りかかった、一組の親子。 幼い子供が、不思議そうにこちらを指さして言いました。
「あのおじさん達、なんでお外でご飯食べてるの?」
その問いに対して、母親が返した言葉を、私は今でも忘れることができません。
「……いい? 真面目に勉強しないと、将来あんな風になっちゃうのよ」
聞こえるように言ったのか、それとも漏れ聞こえてしまったのか。 汚いものを見るような、あるいは憐れむような眼差し。
確かに、私は学生時代、決して勉強が得意な方ではありませんでした。それは否定しません。でも、その時食べていたお弁当の味がしなくなってしまったのを覚えています。
あれから何十年も経ち、私は今、不動産を扱う立場にいます。 建物を「商品」として見ることもありますが、どうしても忘れてほしくないことがあります。
家は、雨が降ればキノコのように勝手に生えてくるものではありません。 皆さんが毎日当たり前に通っている道路も、自然が勝手に造ったものではありません。
夏は灼熱の太陽に焼かれ、冬は凍てつく風の中で泥にまみれて汗を流す「人」の手が、ひとつひとつ造り上げたものです。
誰かの「当たり前の日常」を支えるために、現場で踏ん張っている人たちがいる。 その技術と汗のおかげで、私たちは安全に、温かな家で眠ることができるのです。
いつの間にか、日本社会は「汗をかく仕事」への敬意を、どこかに置き忘れてしまったのかもしれません。
不動産エージェントとして、建物の価値を語るとき。 私はその奥にある「造り手のプライド」も一緒に届けていきたい。 あの日の言葉を思い出すたびに強く思うのです。
当たり前の中にある、当たり前ではない努力。 それを忘れずに、今日も一軒一軒の建物と、真摯に向き合っていきたい。
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