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#643 言葉の裏に宿る「気」

  • 執筆者の写真: RE/MAX GOOD.
    RE/MAX GOOD.
  • 1月17日
  • 読了時間: 3分

こんばんは。RE/MAX GOOD.の佐藤です。


人は嘘をつくと目が泳ぐとか、無意識に鼻を触るとか言われますね。もちろんそれも一つの指標にはなるのでしょうけれど、日々たくさんのお客様や同業者と向き合って感じるものは、言葉以前に嘘の“気”のようなものを感じています。


バレていないと思っているのは、案外、本人だけなのかもしれません。相手は、その言葉の端々にあるわずかな濁りや、空気感のズレを、無意識のうちに違和感としてちゃんと受け取っているものです。お客様が、私たちエージェントに対して気を遣いながら、やんわりとお断りをしてくださる時。言葉では別の理由を仰っていても、その奥にある本当の理由や、決断の迷いが、言葉よりも先に伝わってくることがあります。


そんな時、もちろん深追いをしません。お客様が発したその「気」を尊重し、スッと身を引くようにしています。それがプロのマナーであり、お互いの信頼関係を壊さないための、一番正しい引き際だと思うからです。無理に理屈で丸め込んで得た契約よりも、その瞬間の潔さが、新しいご縁を連れてきてくれることを、私はこれまでの経験から知っています。


この直感のようなものは、対お客様だけでなく、建築屋さんや不動産業者といった同業者と接する時にも、より鋭く働きます。むしろプロ同士だからこそ、相手が今、その場を収めるために吐いた「嘘」や「ごまかし」は一瞬で分かってしまいます。

「今確認しているところです」と言いながら、実は忘れていたのだろうなと感じる瞬間。根拠がないのに「大丈夫ですよ」と言って、その場の空気を濁らせないようにする態度。そんな、ほんの小さな「その場しのぎ」の嘘。ついた本人は、これくらいなら許されるだろう、うまくやり過ごせただろうと思っているかもしれません。けれど、それによって失われるのは、目の前の案件の進捗ではなく、信頼そのものです。


一度でも「この人は、都合が悪くなると嘘で逃げる人だ」というフィルターがかかってしまうと、その後にどんなに素晴らしい提案や正論を並べられても、もう素直に心には届かなくなります。不動産という、大きなお金と人生の決断が動く場所において、一度損なわれた信頼を取り戻すのは、並大抵のことではありません。それはビジネスにおいても、一人の人間としても、何よりも大きな損失ではないでしょうか。


私は、器用にスマートに立ち回れる人間ではありません。むしろ、言いにくいことでも正直に話しすぎてしまい、周りからは「もっとうまくやればいいのに」と損をしているように見えているかもしれません。けれど、それでもいいと思っています。嘘を重ねて積み上げた数字よりも、正直に話して守り抜いた一つの信頼。私が人生をかけて大切にしたいのは、圧倒的に後者だからです。


「佐藤さんは、ダメなものはダメとはっきり言ってくれる」「綺麗事だけじゃないから、安心できる」そんな風に言ってくださるお客様に出会えた時、この不器用な生き方は間違っていなかったと、震えるような喜びを感じます。


効率が重視され、いかに速く、いかに多くをさばくかが正義とされる現代。だからこそ、目に見えない「気」や「誠実さ」を、私は一番大切に握りしめていたいのです。嘘のない言葉で、濁りのない心で、これからもお客様の人生の節目に寄り添っていきたい。


病院からの帰り道、少し冷たい風に吹かれながら、そんなことを改めて考えていました。体調を崩して立ち止まってみると、普段見落としそうになる「自分自身の声」がより鮮明に聞こえてくる気がします。器用になれなくてもいい。嘘をつけない不器用さを、私はこれからも自分の誇りとして生きていこうと思います。


皆さんは、自分の心の奥にある直感や、誰かに対して放っている「気」に、自信を持てていますか。

 
 
 

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