#528 人を惹きつける空き家再生とは
- RE/MAX GOOD.

- 9月24日
- 読了時間: 3分

こんばんは。RE/MAX GOOD.の佐藤です。
昨日は、街と人が互いに影響し合い、好循環を生み出すというお話をしました。では実際に、その循環をつくり出すために空き家再生の現場で求められる工夫とは何でしょうか。
建物を修繕することや補助金をうまく活用することも大切ですが、それだけでは人の心は動きません。街に住みたい、足を運んでみたいと思わせるのは、もっと情緒的な部分にあるのだと思います。
そこでまず大切なのは、その建物や場所に「物語」を感じられることです。古い建物には必ず歴史や記憶が宿っています。壁に残る傷や柱の色合いなど、過去の時間を思わせる要素は、単なる古さではなく、その場にしかない価値です。すべてを新しく作り直すのではなく、あえてそうした痕跡を残すことで、人は「ここにしかない特別な空間」を感じ取ります。空き家再生においては、建物が持つ背景を尊重する工夫が欠かせません。
次に、人の動きを生み出す仕掛けです。街にとって空き家は単なる空白ですが、再生されることで「人が集う拠点」に変わります。小さなカフェや雑貨店、地域の集まりに使えるスペースなど、ほんの少しの工夫で建物は人の流れを呼び込む存在になります。大げさなものでなくてもよく、たとえば縁側で座ってお茶を飲めるだけでも、人は自然に立ち寄りたくなるものです。空き家を「人が行き交うきっかけ」に変えることが、街全体の活気に繋がります。
また、その街らしさを表現する工夫も重要です。地域の素材を取り入れたり、周囲の景観と調和するデザインにしたりすることで、建物は単なる箱ではなく「街の顔」となります。外から来た人がその街を訪れたときに「ここならではの雰囲気がある」と感じれば、また足を運びたくなる。地域性を生かすことは、街全体の魅力を引き上げる力を持っています。
そして忘れてはならないのが、心地よさです。人は理屈ではなく感覚で場所を選ぶものです。陽の光が心地よく入る窓、季節の風が抜ける通り道、建物の前に置かれた一鉢の緑。そうした小さな工夫が「なんとなく居心地がいい」と感じさせ、そこに留まりたい気持ちを生みます。居心地の良さが、人を集め、コミュニティを育み、結果的に街を豊かにしていきます。
空き家再生の本当の意味は、建物を直すことではなく、人と街を引き合わせるための「舞台」を整えることにあるのだと思います。
物語、出会い、街らしさ、居心地。そうした情緒的な工夫が、人を惹きつけ、街と人の好循環をつくり出すと思っています。不動産に関わる者として、その循環を後押しできることは、とてもやりがいのあることだと感じています。



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