#677 現場に立つと思い出す歌
- RE/MAX GOOD.

- 2月23日
- 読了時間: 2分
こんばんは。RE/MAXGOOD.の佐藤です。
現場の空気、木材の匂いや職人たちの威勢のいい声を聞いて 工事が進む現場に立っていると、ふとした瞬間に思い出す歌があります。
それが「木遣り歌(きやりうた)」です。
私はかつて、歴史ある鳶職(とびしょく)の会社で職人として働いていました。そこは技術だけでなく、伝統や心意気を叩き込まれる場所でした。若かった私に、仕事のいろは以上に大切なことを教えてくれたのが、当時の親方や先輩たちです。
木遣りとは、もともとは江戸時代から続く労働歌です。重い木材を大勢で引き揚げる際の掛け声が始まりとされていますが、上棟式の締めくくりに歌われる祝歌としての側面も持っています。しかし、私が現場で教わったのは、単なる歌以上の意味でした。
「木遣りというのはな、家を建てる材料に魂を吹き込むための儀式なんだ」
親方のその言葉が、今でも私の胸に深く刻まれています。無機質な建材が、職人の手と、魂を込めた歌声によって、家族を守る「家」という生命体へと変わっていく瞬間に立ち会っているのだという誇りを教わりました。
現在は不動産営業という立場ですが、今でも現場に行き、時には自ら作業着に着替えて手を動かします。スーツを着て書類を交わすだけでは見えてこない、家が持つ「体温」のようなものを肌で感じたいからです。新築の現場はもちろん、リフォームの現場で自ら工具を握る時、あの親方の言葉がふと蘇ります。
柱を一本立てる、壁を塗り直す。その一つひとつの作業に魂を込めること。それが、そこに住まう方のこれからの人生を守ることに直結している。
ふとした拍子に、あの木遣り歌を口ずさみたくなります。それは、便利さや効率ばかりが優先される現代において、家を建てる、あるいは直すという行為の本来の重みを忘れないための、私なりの「おまじない」かもしれないですね。
不動産という大きな資産を動かすエージェントである前に、私は一人の職人として、建物を愛し、家を敬う者でありたい。
親方から教わった「魂を吹き込む」という姿勢を、今も現場で流す汗とともに、お客様の「ここに住んで良かった」という笑顔へと繋いでいきたいと思っています。
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