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#616 良い家の「気配」

  • 執筆者の写真: RE/MAX GOOD.
    RE/MAX GOOD.
  • 2025年12月21日
  • 読了時間: 2分

こんばんは。RE/MAXGOOD.の佐藤です。


不動産仲介の現場で多くのお客様と接していると、物件選びの基準として「駅からの距離」や「築年数」、「価格」といった数値、つまりスペックが重視されるのは当然のことだと感じます。しかし、元職人として家を造る側にいた私には、それらの数字だけではどうしても測りきれないものがあるのです。それは、その物件が纏っている空気や気配などの感覚です。


家というものは不思議なもので、同じ築年数や間取りであっても、一歩足を踏み入れた瞬間に感じる印象は驚くほど異なります。大切に住み継がれてきた家には、独特の穏やかさや、背筋がすっと伸びるような清々しい空気が流れています。それは単に掃除が行き届いているということだけではなく、前の住人がその家を愛し、丁寧に風を通し、日々を慈しんできた記憶が壁や床に染み込んでいるからではないでしょうか。これは新築住宅でも同じことが言えます。


職人としての視点で見れば、それは細部の「収まり」に現れます。例えば、見えない部分の処理がどれだけ丁寧か、あるいは経年変化をどう受け止める造りになっているか。造り手の敬意と、住み手の愛情。その両方が重なったとき、物件は単なる商品としての不動産を超えて、誰かの人生を受け入れる「居場所」へと昇華していると感じます。


私たちはつい、比較しやすい数値に頼って家を選ぼうとしてしまいます。しかし、最終的にそこで人生を過ごすのは、データではなく生身の人間です。スペック上の条件は満たしていても、なぜか心が動かない。逆に、条件は少し外れているけれど、なぜかこの空間にいると安心する。


もし後者のような感覚を覚えたなら、その直感を大切にしてほしいと思います。


物件に共感できるかどうか。その家に自分の未来を重ねられるかどうかの問いでもあります。数値化できない「いい家の気配」を読み解き、お客様が心から「ここで生きていきたい」と思える出会いを繋ぐこと。それこそが、元職人の視点を持つ私が、仲介という仕事を通じて果たしたい役割だと考えています。


スペックの先にある、目に見えない価値。そんな「家の声」に耳を澄ませるような物件選びを、一緒に楽しんでいただけたら幸いです。

 
 
 

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