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執筆者の写真RE/MAX GOOD.

#163 職人というほではない。




RE/MAXGOOD.の佐藤です。


今更ですが、元々不動産屋で働いてきて不動産業を開業したわけではありません。

しがない土建屋を20年ほどやってきました。土建屋とは、土木工事・建設工事を請負う会社の事を総じて「土建屋」と言います。いわゆる「ドカタ」のお仕事です。


こちらの仕事については、未経験からスタートしたわけではなく、土建会社に勤めてから独立させてもらって開業しました。勤めていた頃や開業してからしばらくの間は仕事への熱量も高く「職人」というプライドを持って働いていました。

その当時は「ドカタ」なんて言われたら、噛みついておりました。


それが今は自らが「ドカタ」というようになったのか…


今では不人気の職業ですが、昔は若い人が入社してくる時代もありました。

十代の青年でとても頑張っている青年がおりました。私もその子の将来を思い目を掛けていました。その様な時に、東京の港区である会社のエントランスの工事がありました。

スコップで穴を掘ったり、その土や砂利などを一輪車で運搬したり。いわゆる「ドカタ」作業。道行くスーツを来たサラリーマン達は皆さんしかめっ面で、小走りで現場の脇を通っていました。それは何か汚いものを見るかのように。その視線を何度も感じました。


工事中はみんな一生懸命に作業していましたが、帰りの車中であの青年の元気はありませんでした。そして次の日出勤してくるやいなや、辞めると申し出て来てすぐに帰っていまいました。その後しばらくは私からの連絡が繋がる事は無くて、他の従業員が後日話ができたのですが、その理由はやはり「周囲の目」だったようです。

多感な年頃の青年は、惨めな気持ちになってしまったようでした。


その話を聞いて、とても心が痛みました。

結局彼は退職してしまいました。


私もそれから、土建業のあり方について色々と考えるようになりました。

今では「職人」と思っていたものの、実際には特別な技術が必要となる作業はごくわずか。

今では、住宅産業の3割以上が外国人労働者が占めています。これが現実です。

もちろん外国人の方もとても真面目で頑張り屋さんが多いですが、日本に来て数週間の外国人の方でも出来てしまうような仕事なのです。

そして、重労働で汚れる仕事。尚且つ低賃金。


全ての産業があるから、人の暮らしが成り立つのは当たり前のことですが、特に若者たちは少しでも簡単な仕事で高収入を得たいと思うのは仕方がないことです。


私も、決して土建業が嫌いになった訳ではありません。モノづくりの仕事は遣り甲斐もあるし楽しさもある。でもそれだけは暮らしていけない。

年老いて行って身体が資本の仕事をいつまで続けられるのか。という不安をずっと持っていたし、人口減少で新築住宅の需要も落ち込むのは目に見えているし、現在では資材高騰が止まらず買い控えも進み徐々に冷え込みが深刻になっています。


もっともっとこの土建業の楽しさと重要さが理解されて、仕事の環境や賃金アップなど

色々と見直されていることを期待してやみません。












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