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#504 空き家の放置が生む課題

  • 執筆者の写真: RE/MAX GOOD.
    RE/MAX GOOD.
  • 3 日前
  • 読了時間: 3分
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こんばんは。RE/MAXGOOD.の佐藤です。


昨日に続き空き家についてもう少し深掘りしていきたいと思います。


少子高齢化や人口減少が進む日本において、空き家問題はますます深刻さを増しています。総務省の統計によれば全国の住宅の約7軒に1軒が空き家という状況で、特に地方ではその割合が高まっています。また、新築の過度な供給も原因の一つのような気がして、現場で住宅工事や不動産に携わっていると、実際に「住む人がいない」「相続したけれど管理ができない」というお話が増えていて、社会的な課題であると同時に、私たちの業務に直結するテーマだと強く感じます。


では、なぜ空き家は放置されてしまうのでしょうか。一つは、相続した所有者が遠方に住んでいて管理できないケースです。草木が生い茂り、建物が傷むのを分かっていても、物理的に通うことが難しい。また、売却や活用を考えても「古い家だから買い手がつかないのでは」「解体にお金がかかる」と二の足を踏む方も多いです。さらに、親族間での意見の食い違いや感情的な要因から結論が先送りされ、結果的に放置されることも珍しくありません。


空き家が長期間放置されると、近隣に悪影響を及ぼします。景観を損ねるだけでなく、雑草や害虫の発生、場合によっては不法侵入や火災のリスクも高まります。地域住民にとっては「迷惑施設」となり、資産価値や安全性を損なう大きな問題です。本来は人が住むことで守られる町並みが、空き家の増加によって崩れていくのはとても残念なことだと思います。

不動産業者としてできることは、単に売却を仲介するだけではありません。例えば「賃貸として活用できる形にリフォームする」「シェアハウスや民泊など、新しい使い方を検討する」「更地にして駐車場や資材置き場に転用する」など、所有者に選択肢を提示することが重要です。個人的には壊すのはあまりおススメしたくないですが、長期間放置されてしまったものは仕方ない場合もあります。


売る・貸す・壊す、この三つの方向性を整理し、費用や収益のシミュレーションを示すことも、所有者が前に進みやすくなります。


さらに、行政の補助制度や空き家バンクといった公的な仕組みを紹介することも私たちの役割です。解体費用の一部を補助する自治体や、移住希望者と空き家所有者をつなぐ制度も増えており、情報を持たない方にとっては大きな後押しになります。結局のところ、「どうすればよいか分からない」という迷いが放置の原因になっているため、その迷いを取り除くサポートこそが不動産業者に求められる役割ではないでしょうか。


空き家問題は一朝一夕に解決するものではありませんが、一つひとつの案件に丁寧に向き合うことで、地域全体にプラスの影響を広げることができると思っています。これからも、ただの仲介業務にとどまらず、所有者の立場に寄り添いながら、空き家が新しい可能性を生み出すきっかけとなるよう取り組んでいきたいと考えています。

 
 
 

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