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#640 効率か美学か

執筆者の写真: RE/MAX GOOD.
RE/MAX GOOD.
1月14日
読了時間: 2分

こんばんは。RE/MAXGOOD.の佐藤です。


休日の午後、私が大切にしている時間の一つに「靴磨き」があります。 無心でお手入れをしている静かな時間は、一週間分の自分をリセットし、自分を整えるための儀式のようなものになっています。


しかし、こうして入念に手入れをすればするほど、いつも頭をよぎる一つの悩みがあります。 それは、レースアップ(紐靴)の革靴と、訪問先での振る舞いについて。


不動産エージェントという仕事柄、お客様のご自宅への訪問や、内見での脱ぎ履きは日常茶飯事です。靴を愛する者としての正解は、分かっています。脱ぐときは紐を緩め、履くときもしっかりと紐を解いてから、靴べらを使って足を入れ、再び結び直す。これが最も靴を傷めず、長持ちさせる方法です。

しかし、現場ではそうもいかない現実があります。玄関先でお客様を何十秒も待たせてしまうのは、営業としてどうなのか。もたついていると思われないだろうか。そう考えると、つい脱ぎ履きしやすい靴を選んだり、紐を緩めたままにしてしまったりする誘惑に駆られます。

ですが、慌てて無理やり足をねじ込み、かかとを潰すような真似だけは、どうしてもやりたくないのです。

傷だらけでヨレヨレの靴を履いている人間が、お客様の人生で一番大きな買い物である「住まい」を語っても説得力がないと思っています。


身だしなみを整えることは、自分を格好良く見せるためではなく、目の前のお客様に対する敬意の現れだと思うのです。

「少し失礼します」と一言添えて、落ち着いて腰を下ろし、丁寧に紐を結び直す。その数十秒を「お客様を待たせる無駄な時間」と捉えるか、あるいは「プロとしての所作」と捉えるか。調べれば調べるほど、マナーの本にも明確な正解は書いてありません。

迷路に迷い込んだような気持ちになることもあります。


結局のところ、大切なのはどちらが正しいかではなく、なぜそうするのかという意識なのだと今は感じています。急いで靴を履き潰すのではなく、一つひとつの動作に心を込め、自分自身を律すること。そのゆとりある振る舞いこそが、お客様に安心感を与え、信頼へと繋がっていくのではないか。


効率だけを求めて大切なものを切り捨てるのではなく、非効率であっても、自分が信じる誠実さを形にすること。磨き上げた靴を履いて、明日もまた、正々堂々とお客さまと向き合ってきます。

 
 
 

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